ADK CLI を使って、Agent Engine にデプロイしたエージェントを更新する方法
Google Cloud Agent Development Kit (ADK) は、エージェントの開発・デプロイ・管理を効率化するためのツールキットです。ADKは豊富なCLIコマンドを提供しており、コマンドラインからエージェントの作成、デプロイ、評価、実行など様々な操作を行うことができます。詳細なCLIリファレンスは公式ドキュメントで確認できます。
今回、adk deploy agent_engine
コマンドに、エージェントを更新するために --agent_engine_id
オプションが用意されていました。この機能により、既存のAgent Engineインスタンスを簡単に更新できるようになります。公式ドキュメントにはこの記事公開時点ではまだ記載がなかったため、本記事で紹介します。(本記事で紹介する --agent_engine_id
オプションは、ADK バージョン 1.11.0 で確認されています。)
機能の概要
adk deploy agent_engine
コマンドでは、毎回新しいAgent Engineインスタンスが作成されます。しかし、--agent_engine_id
オプションを使用することで、既存のAgent Engineインスタンスを更新することが可能になりました。
使用方法
基本的な構文
adk deploy agent_engine \
--project=YOUR_PROJECT_ID \
--region=YOUR_REGION \
--staging_bucket=YOUR_STAGING_BUCKET \
--agent_engine_id=YOUR_AGENT_ENGINE_ID \
path/to/your/agent
オプションの詳細
--agent_engine_id
: 更新対象のAgent EngineインスタンスのIDを指定- 指定しない場合(デフォルト): 新しいAgent Engineインスタンスが作成される
- 指定した場合: 既存のインスタンスが更新される
実際の使用例
1. 新しいエージェントのデプロイ
# 初回デプロイ(新しいインスタンスを作成)
adk deploy agent_engine \
--project=my-project \
--region=us-central1 \
--staging_bucket=my-staging-bucket \
--display_name="Customer Support Agent" \
./agents/customer_support
2. 既存エージェントの更新
# 既存のエージェントを更新
# agent_engine_id は実際のものに差し替えてください
adk deploy agent_engine \
--project=my-project \
--region=us-central1 \
--staging_bucket=my-staging-bucket \
--agent_engine_id=1234567890123456789 \
./agents/customer_support
agent_engine_id の特定方法
adk deploy agent_engine
コマンドで Agent Engine にデプロイした時に標準出力へ Agent Engine のリソース名が出力されます。また、管理コンソールの「デプロイの詳細」からも確認できます。Agent Engine にデプロイされたエージェントのリソース名は以下の形式になっています。
projects/{project}/locations/{region}/reasoningEngines/{agent_engine_id}
このリソース名の末尾の数字文字列が agent_engine_id
になります。
まとめ
--agent_engine_id
オプションにより、ADKでのエージェント管理が柔軟にできるようになりました。この機能を活用して、より効率的なエージェント開発・運用を行えます。